日時:平成19年11月18日(日)9:30〜17:00
講師:後藤 滋巳氏
日歯生涯研修コード:041500

> 講演後記

 
 

近年、包括的歯科医療の重要性が認識されてきたことや患者の審美性、機能的改善への要求度の高まりなどの背景から一般歯科臨床における矯正治療のかかわりはますます強くなってきており、矯正歯科を専門としない臨床医にも、矯正治療についての知識と技術の必要性が増してきています。
そのような現況にあっても矯正治療の特殊性によって現行の診療システムが物理的にも精神的にも煩雑になることを憂慮され、その導入を見合わせている先生も多いのではないでしょうか。
本コースでは、一般歯科臨床において補綴前処置や歯周初期治療として応用可能な大臼歯の整直と歯根の矯正的な挺出を題材とし、講義とタイポドント実習を通じて明日からの臨床に実践できる限局矯正治療の研修を行います。

 
 
  1. 臨床に矯正治療を導入するにあたり考慮すべき点
    1)矯正治療の基礎(特殊性、目的、臨床的効果について)
    2)矯正治療の進め方(分析法、診断、治療計画立案について)
    3)エッジワイズ法の基本的概論
  2. MTM の実際(症例呈示)
  3. タイポドント実習(示説、実習)
 
 
1977年 愛知学院大学歯学部卒業
  1988年 愛知学院大学歯学部講師(歯科矯正学)
  1992年 カリフォルニア大学サンフランシスコ校客員講師(93年6月)
  1994年 愛知学院大学歯学部助教授(歯科矯正学)
  1996年 愛知学院大学歯学部教授(歯科矯正学)
 


所属:日本矯正歯科学会、日本顎変形症学会、日本口蓋裂学会、日本顎関節学会、日本スポーツ歯科学会(各理事、評議員)、近畿東海矯正歯科学会(監事)、愛知学院大学歯学会(評議員)AAO、IADR、他会員


 
 
  1. 歯科矯正学 医歯薬出版 東京
  2. 混合歯列期の矯正歯科治療 医歯薬出版 東京
  3. チェアーサイド・ラボサイドの矯正装置 ビジュアルガイド 医歯薬出版 東京
  4. 歯科矯正学マニュアル 南山堂 東京
  5. 改訂版 新しい歯科矯正学 永末書店 東京
 
  平成19年11月18日(日)に愛知学院大学歯科矯正学講座教授の後藤滋巳先生をお迎えして「明日からできるMTM(タイポドント実習)-大臼歯の整直・歯根の矯正的な挺出-」として矯正実習コースを開催した。インストラクターには後藤先生以外にも宮澤先生、黒澤先生、中筋先生、森山先生の4名にお越しいただいた。

実習に入る前に、後藤先生により「臨床に矯正治療を導入するにあたり考慮すべき点」として講義があり、矯正治療の基礎や日常臨床への効果などを非常にわかりやすく説明をしていただいた。次に宮澤先生よりエッジワイズ法の基礎的概論として、矯正治療を行うにあたり最低限理解しておかないといけない部分の講義があった。休憩をはさんで黒澤先生より、実際の症例と今回のタイポドント実習のケースの説明があり、実習を行う流れであった。

今回は-大臼歯の整直・歯根の矯正的な挺出-ということで、下顎左側第一大臼歯が残根状態でしはらく放置したため、第二小臼歯の遠心傾斜と第二大臼歯の近心傾斜が生じてしまい、補綴が困難となった症例であった。下顎前歯舌側にワイヤーを連続固定することで加強固定とし、マルチブラケットシステムにより傾斜している歯を整直させた。その後、残根状態の歯をゴムを用いてわずかに挺出させ、補綴可能な状態に矯正治療を行った。

受講された先生には臨床で矯正治療を行っている方もみられたが、皆さんなかなか苦戦しているようであった。しかし、インストラクターの丁寧なアドバイスやデモにより、疑問点や応用方法など、その場その場で解決していただく対応に非常に満足のいく実習となった。

また、今回実習で用いたタイポドント咬合器には、来年度のPGC矯正実習コースに予定をしている前歯部の症例も組み込まれているために、今回受講された先生は器材費が考慮されるとのことであった。一日の実習であったため非常に忙しいコースではあったが、明日にでも使える大変充実したものであった。
 
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