保育士国家試験では「こどもは口腔や頭部から成長する。口の成長が全身の成長を牽引する」成長の方向性というものの勉強が必須です。しかも子どもの成長には部位や機能ごとにゴールデンタイム(感受性期、敏感期)が存在し、ゴールデンタイムを逃すとその部位や機能はほとんど成長しないということを学びます。たとえば、歯列の大きさは就学時(6歳)には成長のほとんどが終わっており、20歳くらいまで成長し続ける身長や体重などとは、まったく異なるのです。しかも口の成長が子どもの全身の成長を牽引するのですから、「ロコモティブシンドロームの子ども」や「握力や足が育っていない子ども」が増加していることもうなずけます。6歳時点で口腔の成長がほぼ終わっているのであれば、いったいいつから介入すれば、十分な口腔の成長を望めるのかを調べるために、近隣の保育園やこども園に協力していただき、2018年から「0歳からの口腔調査」を開始しました。子どもたち全員の口腔内だけでなく姿勢や足指、構音障害、ロコモティブシンドロームなどの調査を行うことで、不正咬合はいつから始まり、本当に全身の成長と関連があるのかを調べたのです。毎年調査を重ねると驚くべきことが判明したのです。今回の講演では保育調査でわかった過蓋咬合や反対咬合などの不正咬合の原因や、なぜ口腔機能発達不全症を歯科医師が歯も生えていない0歳児から診るようになったのかを詳しく解説します。
熊本県保育協議会 食育アドバイザー
チャイルデント養成講座 指導医
日本摂食支援協会 指導医
顎顔面機能咬合研究会 指導医
保育士国家資格(2018年取得)
介護支援専門員(2008年取得)