PGC.journal

ごあいさつ

同窓会会長
池山 正仁

同窓生の皆様におかれましては、益々ご健勝にてご活躍のこととお慶び申し上げます。コロナ禍の先行きが見通せない中、今春にも「五類」への段階的引き下げが検討され、歯科界もウィズコロナで訪れるニューノーマル時代の変化に対応できる多角的な視点が求められています。
その一環として、一昨年8月にスタートした学術局主催の「一から学ぶWebセミナー」が、昨年度新設された「Web講演企画委員会」傘下の継続事業となり、当初は学内講師の人選に腐心しましたが、その後時代を席巻する先生方へのリクエストが続々と寄せられ、昨年度は隔月開催とはいえ、多様性あふれる魅力的なラインナップを取り揃えることができました。
自由に生きたいように生きるためにする「勉強」は、40歳からが面白いといいます(精神科医 和田秀樹先生)。形式知の積み重ねで学歴秀才を生み出し、記憶してから理解する「学生脳」から、社会との繋がりの中で教養(心の豊かさ)、閃き(直観)、志(目的意識)が芽生えるが故に、理解してから記憶するようになる「大人脳」への進化こそが、学び直しの楽しさをもたらすのでしょう。
「学べば学ぶほど何も知らないということがわかるようになる。何も知らないとわかるようになるほどもっと学びたくなる」と、アルベルト・アインシュタインの名言(無知の知)にあるように、人と比べる相対評価ではなく、日々未熟な自分とひたすら闘う絶対評価の視点で、死ぬまで学んでいきたいものです。
これからは、自分で「なぜ」と問いを立て、主体的対話的で深い学びを意味するアクティブラーニングこそが、歯科がすべての人達と繋がり、国民に支持されるためのキーワードになると考えられます。
今後とも同窓生の皆様が、個々の生き方を貫きつつ楽しく、生きがいを実感しながら診療が継続できるよう、時代の流れを見極め、3つのワーク(ヘッドワーク、ネットワーク、フットワーク)を介して、着眼大局、着手小局の理念の下、会務運営を進めてまいりますので、引き続き皆様のご指導ご鞭撻のほど、宜しくお願い申し上げます。

P.G.C.実行委員長
牧野 真也

同窓生の皆様におかれましては、平素から本会の学術活動にご理解とご協力を賜り、心から感謝申し上げます。
『感謝の心が幸福の呼び水なら、素直な心は進歩の親であるかもしれません。痛いこともまっすぐな気持ちで聞き、改めるべきは明日といわず、今日からすぐに改める。そんな素直な心が私たちの能力を伸ばし、心の向上を促します。』
京セラ創業者の故稲盛和夫さんの言葉です。感謝の心から、双方向の自己肯定感を通して人生に立ち向かう勇気が生まれ、素直な心がすべての出来事に成長痛という意味付けをします。決して己をかばうことなく、自分と同じ想いをもつ仲間と、その時代を生き抜いていくヒントを頂ける名言です。
成人の勉強時間の平均値は6分。ほとんどの成人はゼロです。日々の仕事に追われ、根っこに学びの楽しさがないからなのでしょうが、医療は勉強(学び)が必須です。医学と医療の違い、それは戦術と全体的な戦略の違いに通じます。いくら知識を積み重ねても、それが有機的に繋がり、組み合わされなければ、病に対する戦略を持つことはできません。それを養うのが、経験知、閃き、高い志に基づく直観です(帯津良一先生)。
卒後研修の目的はその戦略的直観を養って、自己実現と社会貢献を果たすことと考えられます。歯科医師や歯科衛生士も、医療を提供する視点から学び続ける必要があります。
本年のテーマは『見直される歯科の価値』でございます。多角的な専門分野から鉄壁の講師陣をお招きいたしましたので、歯科医師だけでなく、大勢のコ・メディカルスタッフのご参加もお待ちしております。