PGC.journal

ごあいさつ

同窓会会長
池山 正仁

同窓生の皆様におかれましては、益々ご健勝にてご活躍のこととお慶び申し上げます。おかげをもちまして、昨年6月17日には、本同窓会創立50周年記念式典・講演会ならびに記念祝賀会が盛大に執り行われ、記念式典・祝賀会にはご来賓を含め550名の出席を賜り、本会50年の 歩みが本学歯学部のロイヤリティーを高め、その役割は今後益々大きくなることが実感できるひとときを過す事ができましたこと、衷心より感謝申し上げます。

さて、多くの市町村が人口減少や人とのつながりの希薄さ、さらには多重介護に直面し、将来の地域社会の維持が危ぶまれていますが、だからこそ「生活を支える」歯科界は、「地域の安心」をもたらすコアにならなければなりません。消えゆく市町村を減らし、現役世代の定住を進めるためには、仕事を生み出すだけでなく、支える高齢者を増やし、安心して住み続けられる魅力のある街づくりが不可欠であります。

それに加えて昨今、フレイル予防活動などの国家戦略を通して、高齢者間で地域の問題を掘り起こし、自立に向けて手を差し伸べあう街づくりが加速している現状を踏まえ、本会は、50周年を機に10年先の未来を輝かしいものにするべく、同窓生の方々が他職種と共存協調する路線を踏襲しつつ、地域とも協調してソーシャルキャピタルを高め、歯科医療の受け皿を拡大していくための指針を示す講演や実習コースを企画して参る所存でございます。今私たちに求められているのは、自ら進んで実践実行を重ねながら、収益追求と政策追求を両立させる実践哲学であります。

歯科が主導して他職種との連携を深め、全てを甘受して同胞と手を携え、同窓生のためにあらゆる叡智を結集してポストグラデュエートコースの運営を図って参りますので、今後とも末永くご支援ご協力を賜りますよう、お願い申し上げます。

P.G.C.実行委員長
牧野 真也

同窓生の皆様におかれましては、平素から本会の学術活動にご理解とご協力を賜り、心から感謝申し上げます。

さて、猛スピードで進む超高齢化と若者の数の激減で、サザエさんに象徴される昭和の7人家族が自助により子育てや介護を担う時代から、家族の構成員は全国平均で2.47人と末枯れ、共助や公助、互助では賄いきれない介護難民の時代に変貌し、日本の未来は縮小均衡を迫られています。その潮流の中で歯科医療の活力と品位を保つために、本会ポストグラデュエートコースには「自ら光となって一隅を照らし、全同窓生が10年先の風景を前向きに想像できる基盤を創る責任」がございます。いまの世代が何をなしたかに、あとの世代の生き方も運命づけられます。作り手(医療者側)の考えを優先するプロダクトアウト型の「ものづくり」から、受け手(国民)が欲しいと思うタイミングで必要な医療を提供するサービス型の「ことづくり」への意識・行動変容が必要です。

AIやロボットが席巻する中、21世紀型の歯科医療は、多様で有能な人材を育成し、チームワーク溢れる体制を創る潮流に乗る必要があります。したがって、開発(革命、先進医療)とサービス(メインテナンス(予防医療)、医療連携))を基軸とするスマイルカーブにより、稼いだ価値が生産性を生み出すチーム特性を持たなければなりません。

今後、ポストグラデュエートコース実行委員会は、収支バランスをとりながら、歯科界の発展に最も大切なものを優先する覚悟をもって事業を展開してまいります。

他職種を巻き込んで議論を尽くし、互いを認め合い、結論を受け入れ、リアルな質感を省かない「歯科主導の医療連携強化」が、10年先の未来を紡ぎます。

これを踏まえ、今年度のテーマは「歯科が主導する幸福長寿」と致しました。

歯科医師だけでなく、大勢のコ・メディカルスタッフ(歯科衛生士や管理栄養士の方々など)のご参加もお待ちしております。