PGC.journal

ごあいさつ

同窓会会長
池山 正仁

同窓生の皆様におかれましては、益々ご健勝にてご活躍のこととお慶び申し上げます。会長職を拝命して3年が経ち、組織の継続と変革を理念に掲げて同窓会事業を展開してまいりましたが、同窓会の創成期に諸先輩が試行錯誤の上に築かれたPGCは、緊急派遣医システムとともに本会の2枚看板として継続していく方針に変わりはございません。

さて、昨年6月9日、経済財政運営と改革の基本方針2017(所謂、骨太の方針)に「口腔の健康は全身の健康に繋がることから、生涯を通じた歯科健診の充実、入院患者や要介護者に対する口腔機能管理の推進など歯科保健医療の充実に取り組む」と明記されました。また、本年度の厚生労働省歯科保健医療施策において、健康寿命の延伸に向けた歯科口腔保健推進の観点から新たに歯科健康診査推進等事業として約2.08億円が予算化されました。このように医科特定健診への参入やセルフメディケーションにおける歯科の存在価値高揚に追い風が吹きつつありますが、われわれ歯科医師はこの潮流に乗り遅れることなく、国民に支持される歯科医療を念頭に、日々研鑽を積み重ねていかなければなりません。地域に根ざし、生活を支える歯科医療の質向上に向け、本会PGCは、今後もあらゆる角度から歯科の潮流を掴み、その先の明るい未来を開拓してまいります。

歯科医師が主に形態回復を担い、医師やメディカルスタッフと一線を画してきた過去を捨て去り、在宅や介護医療などを通して、多職種と生活のリアルな現場に関わり、観察眼を鍛える『現場力』と『豊かな人間力』を育みながら、歯科医療がチームの歯車の一つとして正しく機能し、その先の新たな景色を探す時がまいりました。知らないことを知るということは、間違いなく人生を深くし、学ぶ人に奥行きを与えます。

今年度も各領域のトップランナーをお招きし、多様性と先見性を備えた5回のコースをご用意いたしましたので、引き続き皆様のご理解とご協力を賜りますようお願い致します。
最後に皆様方の益々のご健勝とご活躍を心より祈念申し上げます。

P.G.C.実行委員長
牧野 真也

同窓会会員の皆様には平素から本会の学術活動にご理解とご協力を賜り、心から感謝申し上げます。

さて、いのちと文化を守る口腔機能の重要性が認知されてきているにも関わらず、わが国の定期歯科受診率は約4割に留まっています。老化の原因がINFLAMMAGING(慢性炎症)と位置づけられ、人類最大の感染症である歯周病管理や口腔機能維持増進による医療費低減のエビデンスを盾に、年来歯科界は医科特定健診への参入を国に働きかけていますが、未だに日の目を見ていません。

一方、医科医療費は高薬価の分子標的薬が次々と認可されるなど、右肩上がりで増え続け、医科歯科格差は広がるばかりです。しかし、歯科医師が口腔機能の評価や生活指導などを通してあらゆる世代の健康を支え、一人ひとりの物語に寄り添い、個々が地域に根ざした歯科医療という電波塔からその溢れる想いを発信できれば、一人ひとりの幸せを紡ぎ、社会性豊かで健康な高齢者が増え、総医療費は減少するに違いありません。

今こそ歯科医師は医療連携を深化させ、地域貢献できる「おらが街の歯医者さん」を目指す必要があります。歯科医師の「幸せ」は自らの手で育てていくしかないのです。

これを踏まえ、今年度のテーマを「地域に根ざす」としました。同窓生の皆様の御参加を心よりお待ち申し上げております。