日時:平成28年1月10日(日)・11日(祝)9:30〜17:00
講師:野原 栄二・牧野 真也・本多 隆保(P.G.C.実行委員)

> 講演後記

 
 

昨年26 年度は平成21 年から23 年までに行われたベーシックの内容から一転してフォローアップも含めてアドバンスコースを開催いたしました。
筆者さらには外科とペリオの専門医による25 年以上に渡るインプラント治療の経験から考えられる初心者が今後、乗り越えなければいけない壁となる問題点を多数羅列してその解決するために必要な知識を提供した。近年必ず必要とされるトップダウンの治療計画に基づく三次元画像(CT)を使った現在の最新の治療計画を学ぶことのでき、それにより作られたガイドでインプラントを埋入することで、安全にさらに審美的にも良い状態を患者に与えることができるように配慮して実習を行った。さらにはサイナスを使い骨増生を行うサイナスリフトのオペをラテラル並びにソケットの両方を症例に応じて対応出来るように模型実習を行った。最後にさけては通れないインプラント周囲環境を良くするための歯周外科である結合組織移植をはじめ数々のテクニックを豚の下顎骨を用いて練習を行った。今年度は26 年度の内容にさらに前歯部の審美的に補綴するために必要な埋入の仕方からはじまり歯間乳頭を温存作成するプロビジョナルの作成までを実習したいと思います。

 
 
  1. ベーシックからアドバンスに到達するたには
  2. 歯周病患者へのインプラント
  3. インプラント周囲環境を良くするための歯周外科
  4. ガイドサージェリーの実習
  5. サイナスリフト(ソケット、ラテラル法)
  6. 全身管理と危機管理
  7. インプラントに与える咬合面の再考察
  8. インプラントのメンテナンス
 
 
平成28年1月10日(日)、11日(祝)に、愛知学院大学楠本校舎にて、第8回ポストグラディエートコース(実習)が開催されました。
講師に野原栄二先生、牧野真也先生、本多隆保先生をお招きして「インプラントアドバンスコース(サイナスガイドサージェリー実習)〜インプラントの壁攻略教えます(サイナス、前歯部審美、咬合)〜」という実習コースを行いました。
初日の午前中は、野原先生が体験談に基づくインプラントの壁とその克服の仕方、牧野先生が医療安全(全身管理と危機管理)を東洋医学の考え方を交えながら講演されました。 午後からは静脈確保の実習と野原先生、牧野先生による講義とSIMPLANT(サージガイド)の講義と実習がありました。静脈確保では相互実習を行い、静脈の怒張のさせ方や静脈を確保しやすい場所などを中心に細かいコツも教わりました。野原先生は補綴主導のインプラント埋入位置について、牧野先生はインプラントを埋入するのに気をつけるべき組織を解剖学に基づいて講義されました。SIMPLANT(サージガイド)はサージガイドのできるまでの手順の流れを講義され、実習では実際にパソコンを使ってCT画像を用いて診断、埋入計画を立てました。サージガイドを使うことによってパソコンでたてた計画による埋入位置がより確実に口腔内に転写できると感じました。
2日目の午前中は、本多先生によるインプラント周囲の歯周外科についての講義とその実習がありました。また患者の血液を採取、遠心分離して作製されるフィブリンゲル(CGF、PRF)や多血小板血漿(PRP,PRGF)の使用は、昨年の11月に施行された「再生医療等安全性確保法」により各クリニックで届け出が必要だという事と届け出の仕方についても説明がありました。実習では顎模型と豚の顎骨を使って結合組織移植(エンベロップ法)、ロール法、口腔前庭拡張術を練習しました。審美性、清掃性をふまえての歯周組織再建の重要性を改めて感じました。
午後からは野原先生、牧野先生の講義の後、サイナスリフト、ソケットリフトの実習を行いました。講義ではエビデンスに基づいての抜歯窩のソケットプリザベーションの必要か否か、抜歯窩唇側組織の吸収を抑えるプロビジョナルの作り方についてお話しされました。実習では上顎洞粘膜付きの上顎模型を使ってサイナスリフト、ソケットリフトの実習を行いました。 実習ではビデオデモや模型での実際のデモがあり深く理解できたと思います。
講義、実習共に内容の濃いものとなっていました。知識が深まり明日からの臨床に役立つ事がたくさん学べたと思います。またこのコースは実習が伴うので少人数性となっており受講された先生も質問がしやすくアットホームな雰囲気で参加できたのではないでしょうか。中には再受講されている先生も数名おり、次回の講義のリクエストをされている先生もいました。