PGC.Journal 愛知学院大学歯学部同窓会ポストグラデュエートコース   愛知学院大学歯学部同窓会

 
日時:平成24年11月18(日)9:30〜17:00
講師:後藤 滋巳氏

> 講演後記

 
 
近年、包括的歯科医療の重要性が認識されてきたことや患者の審美性、機能的改善への要求度の高まりなどの背景から、一般歯科臨床における矯正歯科治療のかかわりはますます強くなってきており、矯正歯科を専門としない臨床医にも、矯正歯科治療についての知識と技術の必要性が増してきているように思われます。そのような現況にあっても矯正歯科治療の特殊性によって、現行の診療システムが時間配分、また精神的にも煩雑になることを憂慮され、その導入を見合わせている先生も多いのではないでしょうか。そこで、
・ 矯正治療の経験の少ない一般臨床医が日常臨床で実践できる内容であること
・ 臨床において治療効果が大きく、リスクが少ないテーマであること
・ 矯正治療の特殊性を活かした内容であること
などの事項を考慮して、本年度は「インダイレクトボンディングテクニック(ブラケットの間接接着法)」をテーマとした実習を企画いたしました。
インダイレクトボンディングテクニックとは術後の咬合状態を想定して石膏模型上で決定したブラケットポジションを口腔内で正確に再現して装着する術式の総称です。
矯正治療ではブラケットをどれだけ正確な位置に装着できるかが治療成功の鍵になります。インダイレクトボンディングテクニックはきわめて煩雑な技工操作を必要としますが、直接口腔内にブラケットを装着するのに比べ、正確な位置付けが可能となるだけでなく、チェアタイムの短縮によって患者さんの治療時の不快感を軽減することができます。
そこで、今回の実習ではシリコーン印象材を用いた簡便な術式を習得していただきます。本コースで行う実習において基礎知識や基本技術を習得していただければ、マルチブラケット装置の装着に対するイメージを払拭することができ、安心して日常臨床へ導入していただけるものと思います。
また、本コースでは3D画像から作製したバーチャルセットアップ模型を用いた最新のインダイレクトボンディングシステムの紹介ならびに先生方が行っておられる矯正治療へのコンサルティングも予定しています。これまでにご参加いただいた先生も、初めての先生も是非ご参加ください。

 

 
 
  1. 臨床に矯正歯科治療を導入するにあたり考慮すべき点(講義)
    矯正治療の特殊性,目的,臨床的効果,マルチブラケット法の基本的概論について
  2. インダイレクトボンディングテクニックの示説
  3. インダイレクトボンディングテクニック実習
 
 
1977年 愛知学院大学歯学部卒業
  1988年

愛知学院大学歯学部講師(歯科矯正学)

  1992年 カリフォルニア大学サンフランシスコ校客員講師(93年6月)
  1994年 愛知学院大学歯学部助教授(歯科矯正学)
  1996年

愛知学院大学歯学部教授(歯科矯正学)

 
【所属】
日本矯正歯科学会(理事長)、日本顎変形症学会、日本口蓋裂学会、日本顎関節学会、日本スポーツ歯科学会(各理事、評議員)近畿東海矯正歯科学会(監事)、愛知学院大学歯学会(評議員)AAO、IADR、他会員

 
 
  1. 歯科矯正学、医歯薬出版、東京
  2. 混合歯列期の矯正歯科治療、医歯薬出版、東京
  3. チェアサイド・ラボサイドの矯正装置ビジュアルガイド、医歯薬出版、東京
  4. 歯科矯正学マニュアル、南山堂、東京
  5. 改訂版 新しい歯科矯正学、永末書店、東京
  6. チェアサイド・ラボサイドの矯正装置ビジュアルガイド2、医歯薬出版、東京
 
 

11月18日(日)に愛知学院大学楠元学舎の第二会議室にて、愛知学院大学歯学部歯科矯正学講座の後藤滋巳教授をお迎えし第7回ポストグラデュエートコースが開催されました。講演は「簡単・簡便なブラケット装着法の理論と実践 -インダイレクトボンディング法のポジショニングから接着操作まで-」と題し、一般歯科臨床医の先生から矯正歯科専門医の先生まで幅広く役立てられるご講演を賜りました。
午前中の講義では、「臨床に矯正歯科治療を導入するにあたり考慮すべき点」という包括的な矯正治療の概念から始まり、矯正治療の特殊性、目的、臨床的効果、マルチブラケット法の概論、という矯正治療を行ううえでの欠かすことのできない基礎知識の再確認を行なっていただきました。日常臨床に矯正治療を取り入れてみえる先生もそうでない先生も再度、矯正治療の特殊性、注意すべき事項についてご認識いただけたことと思います。そしてそのような特殊性や日常の矯正臨床での手技においてのストレスを少しでも緩和する方法として、インダイレクトボンディング法によるブラケット接着手技についてご講演いただきました。
午後からの実習においては実際に模型上でブラケットポジションを決定し、シリコーン印象材を用いてコアの作成を行いました。今回の実習タイトルのとおり、とても簡単・簡便にブラケットの位置の決定やコアの作成を行うことができ、受講生の先生方からも感心の声があがっていました。今回のコースを通じて得た手技によりマルチブラケット装置の装着に対する煩雑なイメージを払拭することができ、安心して日常臨床へ導入していただけるものと思います。
今後もPGC実行部では、多くの先生方にとって有意義で魅力あるコースを企画、運営させていただく所存です。皆様のご参加をお待ちしています。


 
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