PGC.Journal 愛知学院大学歯学部同窓会ポストグラデュエートコース   愛知学院大学歯学部同窓会

 
日時:平成24年10月28日(日) 9:30〜17:00
講師:水上 哲也氏・金成 雅彦氏

> 講演後記

 
 
歯科治療でのエックス線診断は、これまで主としてデンタルエックス線写真による二次元での診断が主として行われてきた。デンタルエックス線写真はパノラマエックス線写真に比べて細部の再現にすぐれ、寸法変化が少なく、コントラスト、骨梁の観察などにおいて有利である。しかし、二次元での審査には限界があり、入射角度による画像の変化や、通過する皮質骨の厚みにより病変の抽出が困難になるなどの問題点を有している。これらの問題点を解決し、より確定的な診断を行うためのツールとして1990年代より医家用CTが注目されてきた。しかし、エックス線被曝の問題などに理由により、歯科治療においてCTを有効活用するといった大きな進展はなかった。その後被曝量が少ない歯科用コーンビームCT(以下、CBCT)の発達・普及によりインプラントのみならず歯周治療でも診断のツールとして有効活用される兆しがみえてきた。CBCTに基づいた診査や治療計画は今までの歯周治療の体系を変化させる可能性を秘めている。本講演会では、歯周治療、歯肉療法、抜歯、小外科、矯正治療、上顎前歯部インプラント、上顎臼歯部インプラント、下顎インプラント、それぞれにおける診査、診断、有効活用について述べた。

 

 
 
<水上 哲也氏>
1985年 九州大学歯学部卒業
  1987年 九州大学第1補綴学教室文部教官助手
  1989年 西原デンタルクリニック勤務
  1992年 福岡県宗像郡にて開業
  2005年 医学博士号取得
  2007年 九州大学歯学部臨床教授
 

<金成 雅彦氏>
1991年 九州歯科大学卒業
  1995年 防府市にて開業
  2011年 歯学博士号取得
 
【所属】
アメリカ歯周病学会会員、国際インプラント専門医学会認定医、日本口腔インプラント学会会員

 
  <水上 哲也氏>
  1. インプラントイマジネーション、クインテッセンス出版、2005年
  2. 歯医者さんを知ろう、クインテッセンス出版、2006年
  3. インプラント治療はチームアプローチ、医歯薬出版、2009年
 
 
平成24年10月28日(日)愛知学院大学歯学部楠本学舎にて「CT診断の歯科領域への適応と未来 2次元のレベルから3次元立体画像へ」 講師に水上哲也先生と金成雅彦先生をお招きして第6回ポストグラデュエートコースが開催されました。 1917年以来、CTの開発は進みこの10数年の間に歯科領域の世界にもCBCTが臨床応用されるようになってきました。従来よりCBCTはインプラント治療を中心に導入される傾向にありましたが2010年12月6日より一部保険導入され、歯周治療、歯内治療、口腔外科治療、矯正治療についても診査診断に不可欠なツールとなってきました。従来の2次元による経験と想像による診断の限界を打ち破る3次元の診断を可能にするCBCTは骨欠損の広がりや形態、根管数、根分岐部病変等の病態を容易に把握することができます。また3次元から得られる情報は2次元診断へフィードバックにも応用されることを学ぶことができました。 CBCTの臨床応用を中心にレントゲンによる2次元診断の特徴を3次元診断の特徴を踏まえてそれぞれの領域での審査診断の要点と臨床への結びつけ方について多くの症例を供覧していただき、大変分かりやすく講演を頂きました。CBCTによる今まで見えなかったものが見えるという歯科治療への探究心と今後更なる高度な歯科治療の可能性に期待を抱かせていただいた講演会となりました。

 
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