> 講演後記
平成23年12月11日(日),愛知学院大学歯学部楠元学舍にて,第8回ポストグラデュエートコースが開催されました.講師に東京都国立市開業の下地勲先生をお迎えして,「歯根膜による再生治療 −インプラント治療を考える前に−」という演題にてご講演賜りました.講演当日は朝から天候も良く,大勢の受講生の方に参加いただきました. 午前中の講演では,歯を保存することの大切さについて,安易に抜髄しない,安易に抜歯しない,抜歯せざるをえない場合には歯の移植・インプラントを検討するという診療方針をもとに,提出,再植など様々な治療法を数多くの症例を用いてご説明いただきました.また発生の過程を知ることなしに治癒のメカニズムは理解できないというコンセプトのもと,@歯根膜の発生,A歯根膜の再生機能,B歯根膜の恒常性維持機能,C歯根膜の感覚機能について詳しく解説いただきました. 午後の講演では,自家歯牙移植がインプラントより有利な点として,過大な咀嚼力から歯を守るセンサーとなることを,症例を通じてご説明いただきました.その後,若い先生たちにもわかりやすく,移植・再植について,@手がけやすい症例,A起こりうるトラブルとその際の対応,B実際の術式のポイントなどについて具体的に解説いただきました. 講演終了後は多くの質問に丁寧にお応えいただき,今後の臨床に有効な情報を数多くいただきました.下地先生の「移植することで歯根膜のスゴさを知った.ここから治療に対するスタンスが変わった!」という言葉に重みを感じる,説得力のある講演でした.