PGC.Journal 愛知学院大学歯学部同窓会ポストグラデュエートコース   愛知学院大学歯学部同窓会

 
日時:平成23年5月29日(日) 9:30〜17:00
講師:丸茂 義二氏第1回

> 講演後記

日時:平成23年6月19日(日) 9:30〜17:00
講師:丸茂 義二氏

> 講演後記

 
  咬合の謎は、咬合と顎位と咀嚼運動の三者の関連を知ることでした。この三者の関係を知ることで、補綴物の設計にあたり、設計とは何か?、どのような設計にしたら、補綴物として快適に使ってもらえるかという疑問を解決することができます。顎位は、この咬合問題や補綴物の設計、咬合性外傷の防止等の広い応用分野があります。そして、顎運動ということを最後に仕上げていきたいと思います。それは、顎運動は顎位と咬合が理解できれば何も問題なく、思うままにコントロールできることです。顎運動とは、患者が咀嚼をしたり、喋ったり、各種の機能運動そのものを示しています。この機能運動は、患者の生活の質を向上させようと思った時に非常に重要な役割を持っています。表情や笑顔を加賀楽ものにするためにはこの顎運動の制覇が絶対に必要なことなのです。 顎運動には、これらの各種の機能のほかに、開口運動を主とした、顎関節症との関わりも大きな問題として認識しなくてはなりません。 患者の咬合を満足するものにするためには、咬合を適正にしなくてはなりません。咬合を適正にするためには、顎位を制御しなくてはなりません。顎位の制御には、患者の咬合と生活を管理しなくてはなりません。これらが完成したときに、咀嚼を始めとした顎運動が完成します。すなわち顎運動の制覇とは、顎や咬合のすべてを制覇したときにやってくるもので、一般の歯冠補綴だけでなく、歯周・Endo・外科・嚥下・顎関節症・インプラント等々あらゆる分野に通じる成功の秘訣と言わなくてはなりません。どうぞよろしくお願い致します。
 
 
  1. 咬合とは
  2. 歯の形態と目的
  3. 咬合の個人差
  4. 顎位とは
  5. 顎運動に影響を与える顎位
  6. 顎関節症との関わり
  7. 咀嚼とは
  8. 咀嚼と骨格
  9. 咀嚼と咬合接触
  10. 臨床の成功のために
 
 
1954年 5月21日 群馬県生まれ
  1980年 日本歯科大学卒業,日本歯科大学大学院歯学研究科補綴学専攻
  1984年 歯学博士取得,日本歯科大学補綴学第二講座助手
  1988年 日本歯科大学補綴学教室講師
  2001年 日本歯科大学付属病院顎関節症診療センター初代センター長
  2004年 日本歯科大学付属病院助教授
  2005年 日本歯科大学東京短期大学教授
  2010年 日本歯科大学名誉教授
 
【所属】
日本補綴歯科学会 認定医 指導医、日本顎関節学会 認定医 指導医、慢性疼痛学会、自律神経学会、米国咬合学会、米国補綴学会、アジア顎機能障害者学会

 
 
  1. 人工歯の形態評価に関する研究
    第一報:嵌合時の頬舌方向について
    第二報:嵌合時の近遠心方向について
    日本歯科技工学会雑誌 第30巻第2号p.91-103 平成22年
  2. 咬合平面
    歯科技工別冊,医歯薬出版,東京,76−82,2007
 
 
咬合を極める(1)
平成23年5月29日 第1回愛知学院ポストグラディエートコースが開催されました。
講師は日本歯科大学 名誉教授 丸茂 義二先生をお招きし、演題「咬合を極める@ −顎運動・咀嚼運動−」で行われました。
この講演は、昨年4月の奥羽大学から始まり8月の東北大学と続き、今年5月、6月の愛知学院の二回公演で完結をするリレー講演で行われました。当日は台風2号の接近にともなう大雨の中にもかかわらず、歯科医師、歯科衛生士、歯科技工士、合わせて400名以上の受講生で大教室は満席になりました。
今回は、顎運動を考えるという副題で始まりました。開始ともに丸茂先生のパワフルで理路整然として、またユーモアあふれる講演にひきつけられて行きました。
まず、患者の歯牙、口腔内のみならず、歯以外の部分すなわち生活習慣、姿勢、等も合わせて診なくてはいけないというところから始まり、歯の解剖学的な形態から歯牙はそれぞれ異なった機能を持ち、その組み合わせによって咀嚼機能は完成することや、さらには過去のご自分の症例における反省点も包み隠さず検証し、咬合様式は変化し、顎位、顎運動、咬合様式には互いに密接な関係が存在する。また、発生学的視点から人間の咬合様式はGrinderであるべきで、Chopper咀嚼の咬合は問題であるといった様々な非常に内容の濃い講演を大変わかりやすく豊富なスライドにてご講演されました。

咬合を極める(2)
平成23年6月19日 第2回愛知学院ポストグラディエートコースが開催されました。
今回は、先月に引き続き日本歯科大学 名誉教授 丸茂 義二先生をお招きし、「咬合を極めるA−総括・咬合制覇への道−」でご講演いただきました。
前回以上の受講生424名の参加で大教室は満席になりました。
講演は、歯周疾患、ウ蝕、顎関節症、はそれぞれ咬合、顎位、咀嚼、がどのように関わっているか区別しなくてはならないということから始まり、さらに咬合の役割として、1咀嚼に参加する位置と形態と接触、2平衡機能に参加する傾斜と均衡、3嚥下機能を支える顎位と咬合面があり、また異常な咬合を続けるといづれ、歯牙、歯根膜、歯槽骨、その他どこかの破壊をまねき、Chopper咀嚼がいかに問題であるかまたGrinding 咀嚼の重要さを、さまざまな視点からわかりやすく説明していただきました。
さらに、臨床例も数多く見せていただき、臨床上での確認方法もご教授いただき大変参考になりました。
しかしそこで、重要なことは、常に腕(技術)を磨くこと。なぜ悪くなったのか原因を究明する。向上心を持って研鑽を積むこと。先生の最後のお言葉に身の引き締まる思いでした。
「咬合を制覇できたと思った時が転落の始まりである」

 
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