PGC.Journal 愛知学院大学歯学部同窓会ポストグラデュエートコース   愛知学院大学歯学部同窓会

 
日時:平成22年11月7日(日) 9:30〜17:00
講師:立和名 靖彦氏

> 講演後記


 
  根管治療をいかに上手に行うかは、歯科臨床に於いて重要である。
「上手に」とは、患者さんにとって「痛くなく」、歯科医師にとっては「予後が良い」ことをさす。
一般臨床歯科に於ける根管治療の特徴を考えると、@主訴への対応となる場合があるので、痛みを止める、痛みを出さないことで「患者の信頼を得る」ことができる。A治療の初期に位置するので、手際の良さ、信頼感を得ることで「治療の主導権を得る」ことができる。そして、必要であれば1 本の歯の治療から全顎的な治療へ、患者を誘導できる。B基礎的な治療であるので、補綴処置の後は再治療が行いにくい、換言すれば「失敗が許容されにくい治療」の3 点が挙げられる。
私は、麻酔抜髄の際にはペリオドン®を使い短時間で治療を終え、感染根管では、機械的根管形成と超音波洗浄を併用し成果をあげている。また、自院を開設して21 年になるが、2007 年に根尖病変のある歯の十年以上経過した症例の予後を調べた成功率は70%であった。今回はこれらの手技をできるだけ詳しく、臨床経験が少ない方にも解りやすく説明したい。
昨今、歯科界は厳しい状況に追い込まれつつある。歯科医師の増加はもとより、患者意識の変化に伴う医療紛争の増加は今後問題となるはずである。安全・安心の歯科医療が患者の求める歯科医療であるならば、歯科医師は信頼をもってそれに答えなければならない。私の拙い臨床の一端が、皆様のヒントになれば幸いである。
 
 
  1. 根管治療概論
  2. 治療に利用する器具、機材
  3. X線診断のポイント
  4. デンタルX線写真の撮影と管理
  5. メタルコアーの安全な除去法
  6. 根管治療成功のための基礎知識
  7. 消毒、殺菌、滅菌
  8. 患者さんとの関わり
  9. 経過観察の勧め
  10. 抜髄根管治療
 
 
1984年 福岡県立九州歯科大学卒業
北九州市八幡西区上野歯科医院勤務
  1988年 福岡県飯塚市白木歯科医院勤務
  1989年 北九州市八幡西区にて、たちわな歯科医院開設
 
【所属】
北九州歯学研究会会員、JACD会員、日本顎咬合学会認定医、日本審美歯科協会会員、日本歯科東洋学会会員

 
 
  1. 「 デンタルX 線写真の撮り方・読み方(1)〜(6)」 歯界展望 Vol.96  1 〜 6 2000
  2. 「 デンタルX 線写真の撮り方・読み方」日本歯科医師会雑誌 Vol.55  6 2002 年9 月
  3. 共著「再生療法における臨床的評価」歯科臨床における再生療法 補綴臨床別冊 2006
  4. 「 根尖病変の治癒の検証 − 10 年以上経過120 名252 歯の検証」the Quintessence.Vol.27 No.11/2008-2357 〜 2371
  5. 「 いま,デンタルX 線写真から得られるもの」〜 歯科治療 成功へのステップ 機能性,審美性,長期安定性を求めて 〜 日本歯科評論  795 2009
 
 
平成22年11月7日、愛知学院大学歯学部楠元学舎にて、第8回ポストグラデュエートコースが開催されました。講師に立和名靖彦先生をお招きして、「エンドで患者さんとの信頼関係を築くー診断から経過観察までー」という演題で講演を賜りました。
一般臨床歯科における根管治療の特徴として、@主訴への対応となる場合があるので、痛みを止める、痛みを出さないことで「患者の信頼を得る」ことができる。A治療の初期に位置するので、手際の良さ、信頼感を得ることで「治療の主導権を得る」ことができる。そして、必要であれば1 本の歯の治療から全顎的な治療へ、患者を誘導できる。B基礎的な治療であるので、補綴処置の後は再治療が行いにくい、言い換えれば「失敗が許容されにくい治療」の3 点が挙げられるとのことでした。
根管治療の成功のためには「抗原を取り除く」ことが必要であるとのことでした。そのためにはまず正しい診断が必要ですが、特に規格化されたX線撮影が重要とのことでした。先生の医院でのデンタルX線の撮影方法だけではなく、現像方法や保管方法まで詳しく説明していただきました。また、治療手技については動画を交えながら丁寧に説明して頂きました。
また、先生は麻酔抜髄時にペリオドンを使用しているとのことでしたが、その薬剤の効果の確実かつ安全な使用方法、トラブルが起こった場合の対処法についても説明していただきました。
講演会の参加者は若い同窓生を中心に120名を越え、質問はその都度してほしいという先生の希望もあり、根管治療の術式や術中のトラブルの対処法などの質問が相次ぎました。今回の講演会を聴講して、改めて根管治療の重要性について認識することができました。

 
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