平成18年10月28日(土)昼から29日(日)夕方までの一日半にわたり、第7回ポストグラデュエートコースが開催されました。講師には愛知学院大学歯学部歯科矯正学講座教授の後藤滋巳先生をお迎えし「どうしていますか?若年期の反対咬合 - その見極めと治療法 -」と題し実習をしていただきました。
初日の土曜日は、反対咬合には歯性、骨格性、機能性のものがあり、治療を行うにあたりその的確な診断力が必要であること、どこをどう改善すればよいかなど、冗談を交えながらも非常に興味深い内容でした。
続いてセファロトレースの実習では、日常臨床で矯正に接していない先生方にも十分行うことが出来る内容となっていました。
実習二日目の日曜日は、多くのモデルケースを提示しながらの診断・治療計画の立案の示説があり、治療の経過や実際に行ってみないと気づかないようなポイントや注意すべき点など多数のスライドを用いてわかりやすく説明していただきました。
若年期の矯正治療の難しさという点では、ある時期正常であった咬合状態が顎骨の成長や歯牙の生えかわりにより再度不正咬合を引き起こすことが少なくない、そのような状態の早期発見と咬合誘導が後の永久歯列の咬合状態に大きく影響を及ぼすため、定期的な観察が必要であるとのことで、セファロや模型から得たデータをどのように治療計画に反映させるのか明確になりました。
今回のコースには後藤先生以外に歯科矯正学講座から4人の先生方がインストラクターとしておみえになっており、質問や実習における指導など非常にわかりやすく、迅速に対応していただきました。最後には後藤先生によるまとめの講義と質疑応答となりましたが、不正咬合の早期治療は非常に重要であるが、長期間におよぶ矯正治療は患者さんのみならず親御さんや我々治療を行う側にもストレスとなるため、症例にあわせた矯正装置を用い、担当医の知識や技術に対応した内容で行うこと、また専門医との連携は不可欠である、しかし多くの先生方に矯正治療を行って欲しいとのことで、矯正治療を行う第一歩を踏み出す絶好のチャンスになったのではないでしょうか。 |