PGC.journal

第4回講演

そうだったのか!CR修復
- CR修復に悩んでいる人に聞いて欲しい話-

●日時:平成29年11月19日(日)9:30~13:00
●講師:須崎 明

講師からのメッセージ

日々の日常臨床の中で、幾度となく行っているCR修復。修復直後は完璧と思っても、次の来院時に「脱落した」「冷たいものがしみる」「マージンに褐線がみられる」「色調が気になる」などと患者が訴える経験はないでしょうか。演者はこのような苦い経験を通して、自分の技量のなさを痛感しています。

一方、近年では修復材料や器材の進化、接着理論の確立などによるCR修復の適応拡大など、少ない歯質の切削で、審美性に優れた修復処置が可能となっています。このような潮流は歯科医師だけなく、患者にも広まりつつあり、患者がCR修復を希望する場合も多くなっています。しかしながら歯科医師がこの患者の要求にできるだけ応えようとしても、良好な治療結果が得られず逆に患者との信頼関係を失ってしまう事態に陥ることもあります。このような患者とのトラブルを回避するためには今一度、CR修復に関する知識を再確認し、自身の歯科医療に反映させることが必要となるのではないでしょうか。

そこで2015 年に日本歯科保存学会より発行された『う蝕治療ガイドライン(第2版)』を中心に、そのようなトラブルがなぜ発生したのかを再考し、その対処法についてまとめた「そうだったのか! CR 修復- CR修復に悩んでいる人に読んで欲しい本-」を出版する運びとなりました。

本講演では書籍のダイジェスト版をLiveで聞いて頂きます。本書がCR修復に悩んでいる方の明日からの日常臨床の一助となれば幸いです。

講演内容

  1. 見て見ぬふりしたいマージンの褐線
  2. 小さなトラブルなのに患者が大激怒するCRの脱落
  3. 何故? CR修復してから痛くなった
  4. やりたくないのに,やらなくてはならない2級CR修復
  5. 永久歯とは全く異なる乳歯のCR修復
  6. 審美修復治療の初めの一歩 前歯部保険CR修復
  7. 95%以上の人が納得.審美性を獲得するための臼歯保険 CR充填のレシピ

略歴

平成 8年 3月
愛知学院大学歯学部歯学科卒業
平成12年 3月
愛知学院大学大学院歯学研究科修了、博士(歯学)の学位取得
平成12年 4月
愛知学院大学歯学部保存修復学講座 助手
平成12年度 日本歯科保存学会奨励賞 受賞
平成13年 4月
愛知学院大学歯学部附属病院審美歯科外来 医員
平成13年 7月
2001年 The International Conference on Dentin/Pulp Complex, “Young Investigator Award” 受賞
平成14年 4月
愛知学院大学歯学部保存修復学講座 講師
平成15年 9月
モンゴル国立健康科学大学 客員准教授
平成17年 3月
愛知学院大学歯学部保存修復学講座 非常勤講師
平成17年 4月
ユマニテク歯科製菓専門学校 非常勤講師
ぱんだ歯科 院長
平成17年 5月
東海歯科医療専門学校 非常勤講師

最近の文献

  1. 落ちない接着 その理論と臨床的ストラテジー:共著(永末書店)、2017。
  2. 今、知りたい成功するCAD/CAM -保険診療から自費診療まで-:共著(永末書店)、2016。
  3. 修復と補綴のLongevity 治療の“Re”にサヨナラしよう:共著(デンタルダイアモンド社)、2015。
  4. デジタル デンティストリー イヤーブック:共著(クインテッセンス出版)、2014。
  5. Making Smile :(デンタルダイヤモンド社)、2014。
  6. 最新歯科用マテリアル 120%活用法 もっと使えて、もっと活かせる!:(クインテッセンス出版)、2014。

講演後記

平成29年11月19日第4回PGC講習会が行われました。 今回は、本学30回生ぱんだ歯科の須崎明先生をお招きし、「そうだったのか!CR修復」 演題でご講演いただきました。
当日は、秋も深まり一段と寒く感じる日の中、50名ほどの受講生にて開催されました。 科学的根拠をベースに各メーカーの商品の特徴、使用上の注意をわけ隔てなく説明いただき、臨床上のコツをおしみなくご享受いただき参考になりました。
大変充実した半日講演でした。