> 講演後記
Evidence という言葉が持て囃されだして久しいが、その中で議論される代表的なものが「抜歯か?保存か?の判断基準」である。演者の臨床には「抜歯か?保存か?の判断基準」など無いに等しい。われわれ歯科医師の仕事とは、たとえ残せる可能性が数%であったとしても、その歯の保存に一度は全精力を注ぎ込まなくてはならないからである。 はたして科学的根拠の裏付けがあれば本当に誰がやっても同じ結果が得られるのだろうか? だとすればEvidence とは不器用な人、もしくは努力を放棄した人のために作られたルールといえる。 狭い日本の中であっても地域性によって異なる医療をWorld Wide なる名の元に地域性・人種・民族性・医療制度・手先の器用さも違う欧米の考えをそのまま日本に持ち込んでも無理はないだろうか? そんなことに縛られていては保存可能な歯も抜歯になってしまう。臨床には「Evidence に縛られないChallenge」も必要である。それ無くして術者側の技術の進歩と向上は成しえないからだ。今回はそのChallengingCase を長期経過症例を交えながら提示することにした。批判の嵐を期待する。
【所属】 日本歯周病学会認定歯周病専門医、 日本臨床歯周病学会認定医・理事、日本顎咬合学会指導医、日本審美歯科協会会員、日本口腔インプラント学会会員、日本包括歯科臨床学会会員、北九州歯学研究会会員
著書
共著
その他論文多数
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