2.講演 ドクターと衛生士のコース
  「メインテナンス」のためのシステムづくり
  ─歯科疾患の本質に迫る─
  平成15年5月18日(日)9:30〜17:00
  講師 北川原 健 氏 
 
日歯生涯研修コード:050105  
 


   
 保険診療の歯周病治療に「メインテナンス」という概念が導入されてから3年近くが経過しました。「P継診」「P総診」といった分かりづらいシステムに悩まされているのは私だけではないでしょう。この間にいくつかの改訂がなされ、運用上の問題点も浮き彫りになってきました。一年の「メインテナンスを終えて」二年目に入った患者さんも出てきました。条件設定が臨床的にはかなり厳しい現在、「メインテナンス」を行っていくには知恵を働かさなければならないでしょう。患者へのモチベーション、症例の選択、確実に療養担当規則をクリアーできるシステム構築、スタッフをどうシステムに取り込むのか…等、超えなければならないハードルはかなり高いといえます。しかし、歯科医師過剰時代を迎え、歯科医師一人あたりの患者数の減少が間違いなく起きていくであろう将来に向かって、この「メインテナンス」システムを日常臨床に取り入れていくことは大きなメリットがあるでしょう。新田先生がお話しなさる予定の「骨縁下ポケットの処置に対する概念の変化」をもふまえ、一開業医として私はこれにどう取り組もうとしてきたか、どんな問題が起きてきているのか…を、診察室のシステム構築、症例の選択等にもふれながらお話ししてみたいと思っております。

講演項目
1.歯肉縁上および縁下プラークの形成機序
2.バイオフィルムとしてのデンタルプラーク
3.歯肉縁下プラークコントロールとしてのスケーリング・ルートプレーニング
4.歯肉縁下プラークコントロールの概念の変遷
  スケーリング・ルートプレーニング時代
  歯根表面デブライドメント時代
  歯肉縁下デブライドメント時代
5.歯肉縁上プラークコントロールの意義
6.理論に基づいたシャープニング法
7.上手なSRPのための技術的な注意点


最近の文献

1.
「患者データの蓄積の実際とその意味」その1・その2 日本歯科医師会雑誌 Vol.54 No.10、11 2002.1/2
 
2.
Basic Periodontics2」北川原健 編著、千葉英史・永田省蔵・佐々木勉 著 2002.9  
3.
編著「歯肉縁下のプラークコントロール」新田浩:品田和美:島田昌子:北川原健 デンタルハイジーン別冊2002 医歯薬出版 2002.12  
4.
「一歯単位の力の問題とその解決の手だて」特集「歯周病における咬合性因子を考える」歯界展望 Vol.101No.6 2003.6  
   
   

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