8.講演
  顎関節症と咬合
   
  平成15年11月16日(日)9:30〜17:00
  講師 丸茂 義二氏


 咬合と顎関節症は永遠のテーマである。
 咬合が顎関節症と関係があるかどうかについて多くの論議がある。しかしこの論議には大きな落とし穴がある。それは咬合の善し悪しよりも、咬合をどのように使うかということである。この視点が欠けると咬合の善し悪しが判断できない。使い方と使い手に合わせた咬合という発想で補綴を考える必要がある。付与された補綴物の咬合をどのように使うかという視点は咀嚼という咬合の本質的なものを考えるのに十分なものである。
 また顎関節症もこのような視点で考えてみると、顎を動かさなければ顎関節症は表面化しないものである。顎と咬合は密接な関連があるが、身体的に顎関節にどのような役割を要求してくるかによって顎関節への負担が様々に異なっている。これらの負担が結果的に顎関節の変形を引き起こすので、この変形を顎関節症の原因と勘違いしやすいものである。顎関節への負担のバリエーションが顆頭の形態のバリエーションであることに気が付けば顎関節症の病態も分析が可能である。また変形傾向は顎位の変化さえも解析できるものである。
最近の文献

1.
スプリント療法の禁忌 東都歯医師会誌Vol.42No.5:12〜20,1994
 
2.
咬合ってホントに難しいの?, Dental Frontier QA, Vol.14,33〜51 2001 デンタルダイアモンド社  
3.
小児歯科でなぜ姿勢を取り上げるのか. 小児歯科臨床Vol.6,No.4,12〜22   
4.
子どもの生活パターンと顎関節症・歯周病. 小児歯科臨床 Vol.7,No.10,31〜40  
   
   

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