6.講演 ドクターと技工士のコース | ||
総義歯難症例に挑戦 | ||
─無歯顎の印象と咬合・新しい治療用義歯システム─ | ||
平成15年10月19日(日)9:30〜17:00 | ||
講師 深水 皓三氏 |
我々が総義歯に求めるものは、単なる補綴物ではなく治療によって回復した形態と機能、それに伴って得られる全身の健康、すなわち心の満足感から表現される美しさも含んでいる。無歯顎補綴においては大きな器質欠損により機能障害を誘発している症例が多い。生体の機能は、その個体固有のものであり、その改善、回復は自身のリハビリ・トレーニングによってしかできない。形態を整え良い形にすることにより、機能も改善されていく、すなわち形態(印象)と機能(咬合)は連動していると言える。術者は適切な印象、咬合高径、機能咬合平面の設定を行い、デンチャースペースを歯のある状態にもどし、頬筋や咀嚼筋など口腔周囲筋が活性化し、摂食から嚥下がスムーズにできる人工臓器となりえる形態を備えた道具「治療用総義歯」を作る。それによって患者自身(と術者)で治療を行い、機能を回復し、健康を得られたという達成感と自信がその人の健康美となる。尚、講演内容の中で技工操作にかかわる部分は、堤嵩詞先生(PTD
LABO)にお話いただくこととする。
最近の文献
1.
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Level up Complete Denture Techinique Series 6,上がりゆく患者の治療への欲求,1.2.3.,歯科技工30巻,4.5.6.,2002 |
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2.
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リハビリテーション総義歯治療―パイロットデンチャー1.2.3.4.5.6.,補綴臨床34巻1〜6,2001 | |
3.
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機能解剖に基づく総義歯印象法―頬筋の走行形態と総義歯の維持、日本補綴誌46,2002 | |
4.
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最近の総義歯治療の戦略―難症例を解きほぐすPILOT Denture System,東京医科歯科大学同窓会,2002 | |
5.
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解剖学的指標と総義歯製作の理論、歯科技工別冊/目でみるコンプリートデンチャー,医歯薬出版,1994 |