5.講演
  口腔を科学する
  ─顎口腔系とその周辺に焦点をあてて─
  平成15年9月28日(日)9:30〜17:00
  講師 下郷 和雄氏


 口腔の疾患の代表は、その罹患率からは、歯の実質欠損と歯周疾患であり、それに引き続く咬合咀嚼障害であることは明らかである。これらの疾患は歯科医学、歯科医術の発展と、歯科医療関係者のおおいなる努力の結果、先進諸国においては、2025年にはWHOの重点疾患からも姿を消すものと予想されている。
 しかしながら、歯と歯列のみに限らずに、口腔が担う機能を考えるとその機能は咬合咀嚼障害にとどまらず、言語(構音)機能や摂食嚥下機能、顔面の整容機能あるいは気道確保機能などと極めて多岐に及ぶことに気づく。口腔に責任を持つ存在としての歯科医はこれらの機能に対して責任を持つ存在と言えるであろう。
 本講演では、口腔の軟組織や骨に発生する疾患や損傷、先天奇形などに触れた上で、前述の諸機能について解説し、その臨床的意義付けや歯科医学からのアプローチについて述べる予定である。

最近の文献

1.

口腔癌に対する経頬的手術法 癌の臨床, 40:78〜83 1994年

 
2.
頸部郭清術・分類の現況 ─われわれの4分と和名の提案─ 耳鼻咽喉科・頭頸部外科, 68:386〜 389 1996年  
3.
上顎の解剖と機能 顎顔面補綴,19:3〜13 1996年  
4.
舌癌に対する根本的頸部郭清術について 頭頚部腫瘍,24:388〜392 1998年  
5.
一般病院における摂食嚥下障害患者への対応 日本歯科医師会雑誌, 55(4):294〜300 2002年  
6.
顎口腔疾患術後嚥下障害におけるX線透視ビデオ検査の定量的解析法ム簡易システムの考案ム日本口腔外科学会雑誌,49(2):2002年 印刷中  
7.
頬骨骨折手術における一工夫 日本口腔外科学会雑誌, 49(3):2002年 印刷中  

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